広島市江波山気象館の基本的運営方針

(令和4年4月1日策定)

1 使命

天気予報、気象観測やさまざまな現象、地球温暖化など“気象”に関する知識の提供
気象に関わる“科学”の体験の場の提供
大雨や台風、地震や津波などの“防災・減災”に関する知識の提供
気象台寄贈資料などの活用をもとにした“気象と歴史”に関する知識の提供
昭和初期の官庁営繕と被爆建物の保存活用など“建物遺産”に関する知識の提供
被爆当時の気象や気象台による原爆被害調査など“原爆と気象”に関する知識の提供

により、博物館資源を通して市民に学びと楽しみの場を提供する。


2 事業方針

(1)博物館資料に関する専門的・技術的な調査研究
◆気象に関する調査・研究
気象に関する様々な情報をもとに、資料を作成し他の事業で活用を図る。
◆教育普及事業に関する調査・研究
館の事業に独自性をもたせ、また、話題性の高い展示やイベントを実施するため、事業運営に生かせるノウハウの蓄積に努める。
(2)博物館資料の収集・保管・展示(常設展示)の実施
◆気象観測機器等資料の収集・保管
収集をした気象観測機器等の資料の整理を進め、収蔵庫等で適切に保管管理する。
◆気象台及び気象館の歴史を伝える資料の収集・保管
館が所蔵する気象台や被爆建物に関する貴重な歴史資料を将来に継承するため、資料の整理・活用を進める。
◆常設展示
●体験型に特化した展示の維持に努めるとともに、職員の創意工夫により独自性の高い展示を行う。
●来館者が気軽に質問や調べ学習ができるようお天気情報コーナーを設置する。
●気象観測器や歴史資料を活用し、気象に関するこれまでのあゆみや平和学習に結び付くコンテンツを提供する。
(3)企画展の開催
◆見て・触れて・感動する企画展
「楽しみながら学ぶ」ことができる展示を企画し、体験型の展示を中心とした企画展を実施する。
また、科学的な展示のみにとどまらず、自然の不思議や美しさを伝える展示にも取り組み、人に感動を与える展示を目指す。
(4)講座・教室・移動科学館等教育普及事業の実施
◆科学する心の育成
「みる(サイエンスショー)」・「つくる・ためす(ワークショップ・実験ひろば)」などによって、参加者の知的好奇心をくすぐるような「感動し」、「楽しめ」、「新たな発見がある」事業を展開する。
◆気象関連団体等との連携
気象のスペシャリストとの人的ネットワークを活用し、気象をはじめとした自然災害に関する理解と対応力向上を目指す取り組みを中心に、多彩な事業を企画実施する。
◆学校団体等の受入れ
校外学習、社会見学、修学旅行、平和学習、遠足など多様な利用形態に対応できるよう団体ニーズの把握に努め、利用形態に即した対応を実施する。
◆移動科学館(館外事業)の実施
気象や科学に関する実験を届けるサイエンスショーや気象と防災・減災についての講義・講演などを学校や公民館、図書館など館外の施設等で実施する。
(5)気象や科学に関する情報の収集・提供
ホームページやInstagram等SNSを活用して気象や気象館の情報を積極的に発信する。
(6)相談事業の実施
市民が気象情報や気象について気軽に相談や質問ができる環境づくりに努める。
夏休みには、こどもが取り組む気象に関する自由研究の相談にも対応する。
(7)ボランティアの育成等
◆科学する楽しさの共有
ボランティア自らが身につけた知識や技術を、こどもたちやこれから新たに学ぼうとする市民に伝え、教えることをとおして、ともに学ぶ楽しさを共有できる場を提供する。
◆次世代の担い手の養成等
大学生の学芸員実習、インターンシップ、中高校生の職場体験等を受入れ、将来の博物館を支える人材を育てる。