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江波山気象館 メールマガジン
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2007年 8月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
https://www.ebayama.jp
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五色の雲? 彩雲
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 先日、市民の方から気象館に電話でお問合せがありました。「今、空に赤い雲が出ている。なぜですか?」というものでした。

 事務室からは見ることができなかったので、急いで屋上へ。
 最初、私は、夕焼けのような赤い雲を想像していたのですが、まだ、空が焼ける時間でもなく、屋上へ出てみても、赤い雲など見当たりません。

 しかし、もう一度空をよく見てみると、鮮やかな赤い雲があるではありませんか。赤い雲の下には黄色や青い雲も。

 そうです、問合せの雲の正体は彩雲(さいうん)だったのです。
 普段、空を見ることが多い仕事の私も彩雲は何度も見ていますが、久しぶりに鮮やかに色づいた彩雲を見ました。

 ただ、電話でのお問合せに答えるため、ゆっくり観察する間もなく、また急いで屋上から事務室へ、電話で彩雲についての説明をしました。

 彩雲は、太陽の光の雲粒による回折によって現れ、空で見える光学現象としては、決して珍しい現象ではありません。
 しかし、多くの場合、色が薄かったり、太陽に近く明るすぎたり、まぶしかったりで気が付かない方も多いようです。

 お問合せいただいた市民の方も、初めてご覧になったようで、驚かれていました。天変地異の前兆ではないこと、決して珍しい現象ではないが、色がはっきり見えることはまれであること、昔は、縁起がよい雲として「瑞雲」や「慶雲」などとも呼ばれることもあったことなどを説明したあと、カメラを片手に再び屋上へ。

 しかし、すでに彩雲の色は薄れ始めていました。あわてて数枚撮影した写真の一枚をご紹介します。(https://www.ebayama.jp/photo/saiun.jpg)

 彩雲や日暈、幻日など空の光学現象はいろいろな条件が整わないと見ることができません。貴重なチャンスにめぐり合うためにも、普段から、空を眺める余裕を持ちたいものですね。