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2010年 8月号 |
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ ▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ |
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秋の鳴く虫 |
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ニイニイゼミやアブラゼミ、クマゼミたちの鳴き声が響き渡っていた江波山でも、ツクツクボウシが鳴いたり、夕方には、カネタタキなど秋に鳴く虫の声が目立つようになりました。 鳴く虫といえば、音を出す虫として、セミやコオロギ、キリギリス、バッタなどが浮かびますが、狭い意味では文部省唱歌で有名な「虫のこえ」の歌に出てくるマツムシやスズムシやクツワムシなどのコオロギやキリギリスの仲間の虫たちのことを指します。 鳴き声といっても、人のように口から音を出しているわけではなく、翅(はね)と翅をこすりあわせて音を出します。鳴く虫たちはオスが鳴くことが多く、鳴き声にも、メスを呼ぶ時の「ひとり鳴き」や、なわばりに他のオスがやってきたときの「おどし鳴き」、反対にメスがやってきた時の「くどき鳴き」などの種類があります。ふつう私たちがよく聞くのは「ひとり鳴き」であることが多いようです。 日本人は昔から鳴く虫たちの鳴き声を楽しんできました。平安時代にはコオロギやキリギリスの鳴き声を歌に詠んだり、捕まえて鳴き声を楽しんだようです。江戸時代になると虫売りが商売として成り立っていました。近年は都市化が進んだ影響などで私たちの関心も薄れがちですが、今年の秋は古来私たち日本人が親しんできた鳴く虫の声に耳を傾けてみていはいかがでしょうか。 「虫のこえ」に登場する虫たちのうち、マツムシやクツワムシなどは都市部ではほとんど聞くことができなくなってきました。私たちが聞きとりやすく、都市や郊外の住宅地などでも聞くことができる虫としては、畑などでよく聞くことができるエンマコオロギ(コロコロリーと鳴く)やツヅレサセコオロギ(リリリリリリリリ…と鳴く)、公園や家の植え込みなどで聞くことができるカネタタキ(チン、チン、チンと鳴く)、街路樹で大音量で鳴いているアオマツムシ(リーリーリー…と鳴く)などが挙げられます。 ところで、このコオロギの仲間たちが鳴く頻度は気温に関係があるといわれています。虫は変温動物なので、気温によって体温が変わり、それによって鳴き方が変わるのだそうです。たとえば、スズムシは15℃以下になると鳴かなくなるとか、コオロギの仲間は、暑い夏のうちは夜しか鳴かないが、秋になると昼も夜も鳴くようになるといわれています。カネタタキは8月の終わりにはせわしなく「チン、チン、チン」と鳴いているのですが、11月にもなるとゆったりとしたテンポで鳴いているのを聞くことができます。 まもなく9月。朝晩は少し秋の気配が感じられるようになりましたが、気象庁8月27日発表の1カ月予報では、中国地方は8月28日(土)〜9月3日(金)の期間で気温が平年より高い確率が80%、9月4日(土)〜9月10日(金)で70%と、暑い日が続くと予想されています。しばらく厳しい残暑に苦しめられそうですが、これからの季節は鳴く虫たちの鳴き声やそのテンポで秋の訪れや深まりを感じてみませんか。 兵庫県立人と自然の博物館・自然と環境の学習素材 (コオロギやキリギリスなどの鳴く虫のほかセミやカエルの鳴き声が聞ける) http://hitohaku.jp/education/sound/index.html 気象庁 季節予報 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/ |