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2012年 2月号 |
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ ▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ |
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春一番!! |
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2月4日は、二十四節気の一つ立春でした。暦の上では、この日より春のスタートです。広島の2月の気温を平年値[昭和56(1981)年から平成22(2010)年30年間の平均値]と比べてみました。日平均気温は上旬3.0℃(平年値:5.2℃)、中旬3.7℃(同:6.2℃)、日最低気温は上旬−0.1℃(同:1.5℃)、中旬0.5℃(同:2.3℃)、さらに日最高気温は上旬7.0℃(同:9.8℃)、中旬8.2℃(同:10.9℃)と平年に比べ低く、まだまだ寒い日が続いています。特に、19日は、日最低気温が−3.4℃と冷え込む一日でした。 冬の寒さが続く中、春の最初の便りに「春一番」とよばれる強い風があります。この風は、春への季節の移り変わりの時期に、初めて吹く南寄りの強い風のことをいい、関東から九州の気象台で観測しています。中国地方の基準は、(1)立春から春分の期間で、日本海で低気圧が発達する(2)中国地方に強い南風(東南東から西南西の風向きで、最大風速10m/s以上)(3)気温が前日に比べ3℃以上あがり、気温10℃以上と決められています。 最近10年間の、中国地方における春一番の吹いた日をみると、2月中旬3回、2月下旬1回。3月中旬1回、観測なし5回でした。昨年は、3月19日に観測されました。 春一番と聞くと「暖か」「うららか」「春の息吹を感じる」といった穏やかな春の訪れを想像しがちです。しかし、明るい言葉のイメージとは裏腹に、春一番が吹いた後は荒れた天気になることが多く、注意が必要です。 春一番の語源には諸説あるようです。その一つ、長崎県壱岐地方に伝わる説を紹介します。安政6(1859)年2月13日、この地方の漁師が出漁中、おりからの強風によって船が転覆し、約50名もの犠牲者を出す海難事故が起こりました。それ以来、地元の漁師たちがこの強い南風を「春一」または「春一番」と呼び警戒するようになったといわれています。 強風は、大火災や船舶遭難の被害をもたらすことがあり、注意が必要です。身近なところでは、看板やテントが飛ばされたり、車や自転車に乗っていて風にあおられたりと、被害や事故の原因となる場合があります。また、急な気温の上昇は、なだれによる被害を起こしやすくします。 このように、春一番は、冬から春へ向かう季節の変化を告げる便りであると同時に、強風や急な気温上昇による災害に対する、注意の気持ちが込められていることを忘れてはいけませんね。 |