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2012年 11月号 |
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ ▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ |
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初霜が降りる頃 |
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明日から12月です。11月も下旬になると朝晩の冷え込みが厳しくなります。季節は、晩秋から初冬へと移り変わります。これからの季節、寒くて晴れた日の朝方、草の葉や地面、そして窓ガラスなどに霜が見られるようになります。特に山間部は、沿岸部に比べ、気温の下がり方大きく、霜が降りやすくなります。 季節のことを話題にしたニュースは、その多くが全国の気象台が行っている季節現象の観測が基になっています。冬の季節現象の観測項目には、初霜・初氷・初雪・初冠雪などがあります。季節を特徴づける大気現象の観測は、季節の遅速を知る手掛かりになります。では、冬の季節現象の一つ、広島の初霜の観測時期について見てみましょう。 広島の初霜の平年値[昭和56(1981)年から平成22(2010)年30年間の平均値]は、12月14日です。昭和46(1971)年から平成12(2000)年の30年間の平均は12月7日でした。温暖化の影響や気象台周辺の環境の変化によるものかもしれませんが、初霜の日が遅くなっています。 初霜は、寒候年[前年8月から今年7月までの一年間<平成24(2012)年の寒候年とは、平成23(2011)年8月から平成24(2012)年7月までの一年間>]という期間中で、最初に降りる霜のことを言います。 今の時期、日の入り時間が早まり夜が長くなると、それだけ地表の熱が上空へ逃げる放射冷却による冷え込みが強まり、霜が降りやすくなります。霜は、空気中に含まれる水蒸気が昇華(水蒸気が水の状態を通らないで直接氷になること)してできる氷の結晶です。霜ができるためには、放射冷却により、地面などの温度が氷点下になる必要があります。 よく「霜が降りる」といいます。しかし霜は、雨や雪のように空中を降ってくるものではなく、地表近くでできる氷の結晶なのです。 気象台より発表される霜の情報ですが、何か特別な観測機器を用いて行っていると思われる方も多いのではないでしょうか。ところが、意外と簡単で、気象台職員の「目視」によって行われています。広島地方気象台では、霜を見つける工夫として露場に古タイヤや木炭などの黒い物を置き、これらについた霜を観測しています。 朝日を受けてキラキラ光る霜は、とても美しいです。しかし、秋に降りる早霜や、晩春から初夏にかけてのおそ霜は、農作物に被害が出ることも多く注意が必要です。しかし、これからの季節、気温が下がると、大根や白菜などの冬野菜にとっては、寒さが野菜の甘みを増し、より、おいしい野菜にしてくれるという利点もありますね。 |