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江波山気象館 メールマガジン
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2013年 8月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
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秋立ち、暑さ止む・・・?
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 今年の立秋は8月7日でした。とは言え、「なにが秋だ、ちっとも涼しくならないじゃないか!」と苛立ちたくなる、そんな暑い日が続いています。高知県では12日に観測史上最高となる41.0℃が観測され、4日連続で40℃を超えました。そもそも40℃を超えること自体が6年ぶりです。また、東京では最低気温が30℃を上回る日も観測されました。
 さて、立秋は二十四節気の一つです。二十四節気とは、1年(1太陽年)を太陽の動きに従って24等分し、それぞれを季節の節目にあてたものです。最近ではあまり意識しなくなってしまいましたが、旧暦の頃には重要なものでした。
 以前は、現在使われている「太陽暦」(地球が太陽の周りを1回公転する期間を1年とする)ではありませんでした。電気が発達していない頃には、月の明かりが非常に大切だったため、月の満ち欠けで暦を数える「太陰暦」が使われていたのです。しかし太陰暦では1か月が29日半だったため、1年(12か月)が太陽暦よりも少し短く、年を重ねると日付と季節が合わなくなる問題が起こりました。そこで、二十四節気と太陰暦を組み合わせた「季節がわかりやすい暦」を作りました。これが旧暦(太陰太陽暦)です。
 ところで、立秋の次の節気は処暑(しょしょ)で、今年は8月22日です。処暑とは字のとおり「暑さが止む」という意味です。昔はこの時期から暑さが引き始めていましたが、今ではコンクリートなどが多くなり熱が逃げにくくなってしまったため、まだまだ「暑さが止む」には時間が必要になってしまいました。
 しかし、処暑の前に立秋がある、ということは、暑さが止まないうちに秋が来るということです。つまり、二十四節気が定められた時、すでに立秋の日には暑くなることがわかっていました。季節が移り替わる目安の二十四節気ですが、太陽の視位置によって決めたため、実際の季節からズレが生じました。大気の温度が変化するには時間がかかるためです。例えば、夏至(今年は6月21日)は太陽が高い位置にあるときですが、実際に夏を実感するのは7〜8月ごろです。同じように、冬至(今年は12月22日)よりも1月〜2月ごろが最も寒くなります。
 暦と季節のズレは、特に日本では大きくなります。原因は海です。水は地面よりも温度変化に時間がかかってしまうため、海に囲まれた島国の日本では海水の影響が大きくなります。そのため、大陸にある国々よりもさらにズレを感じるようになります。
 まだまだ暑さは止まず、寝苦しい夜が続きそうです。今しばらくは「身体でも感じられる秋」に思いを馳せるしかなさそうです。