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江波山気象館 メールマガジン
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2014年 10月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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気象衛星の役割
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 10月7日(火)14時16分、青空の下で種子島からロケットが打ち上がりました。「気象衛星ひまわり8号」を搭載したH-IIAロケット25号機です。ロケットは計画通り飛行し、ロケットから分離したひまわり8号は16日に所定の静止軌道(東経約140度の赤道上空高度約35,800km)に入りました。今後運用に向けて機能確認などを行い、平成27年夏ごろから観測が行われる予定です。
 現在日本で気象衛星として運用されているのはひまわり6号と7号です。通常観測を行うのはひまわり7号ですが、7号が不調になった場合に備えてひまわり6号も待機しています。ひまわり以外にも他の国・機関が運用する気象衛星がいくつもあり、地球全体の気象観測をしています。
 さて、テレビの天気予報などで気象衛星が観測した雲の画像が紹介されることがあります。テレビで使われるのは主に日本域の画像ですが、気象衛星は全球域(衛星から見える地球のすべての範囲で、地球のほぼ半分)の観測を行っています。特に、気象観測が困難な海洋や砂漠・山岳地域も観測できることから、気象観測において重要な役割を担っています。
 気象衛星が観測する画像は大きく分けて、地球で反射された太陽の可視光線をとらえる「可視画像」と、雲から放出される赤外線をとらえる「赤外画像」・「水蒸気画像」があります。可視光線による観測は、発達した雲が厚く見えるなど視覚的にわかりやすいのですが、夜になると太陽光の反射がなくなるため写らなくなります。夜の時間の観測を補うのが赤外画像です。また、赤外画像や、赤外線の中でも水蒸気が観測しやすい波長域をとらえた水蒸気画像では、上層にある雲や水蒸気の様子などがわかりやすくなっています。これらの観測画像から雲や水蒸気の分布、地面・海面・雲頂の温度など様々な情報が得られ、さらに解析することで、雲の高さや種類、海霧、風、台風や低気圧などの位置や規模、変化などを知ることができます。その他にも、海氷や火山の噴煙の分布を知ることもでき、日頃の天気予報のみならず、環境変化を調べるにも無くてはならないものです。
 衛星画像は特に台風に関して非常に役立ちます。台風の多くは熱帯の海洋上で発生するため地上の観測点が少ないのですが、衛星画像があることで台風の進路を予想することができます。また、気象レーダーの観測範囲外から移動してくる雲の動きがわかることから、発達した積乱雲などが近づいてくるときなどの警報や注意報の発表にも役立ちます。
 ひまわり8号に次いで、ひまわり9号も平成28年打ち上げ予定として開発が進められています。新しい気象衛星は観測機能が向上しており、例えば衛星画像の解像度が上がってより細かな範囲を観測できるようになっていたり、観測時間が10分ごとになったり(現在は30分ごと)、白黒画像で観測していた可視画像がカラー画像になったりするなど、より詳細な観測が出来るようになっています。最新の気象衛星の活躍に期待です。