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江波山気象館 メールマガジン
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2014年 11月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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紅葉狩り
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 最近では気温がぐっと下がり、秋を実感することが多くなりました。山や公園などの木々が黄色や赤に綺麗に色づき、ふとした時に目で追うことが多くなったのではないでしょうか。
 日本にある樹木には、秋になると色づく落葉樹と緑色のままの常緑樹があります。落葉樹はその名の通り冬になると葉を落とす種類の植物です。カエデやイチョウなど鮮やかな色になるもの以外にも桜やケヤキなども仲間です。
 どうして落葉樹の葉は緑から他の色に変わるのでしょうか。実は落葉樹が生きるのには欠かせない現象なのです。春や夏の葉には光合成を行うために欠かせない葉緑素が含まれており、葉緑素にはクロロフィルという緑色の物質があるため緑色に見えます。秋になり日照時間が短くなると光合成できる時間が短くなります。すると、落葉樹は葉の光合成による成長をあきらめ、葉を切り離そうとして葉まで栄養を送らなくなります。栄養が行き届かなくなった葉の中では次第に葉緑素がなくなり、クロロフィルが分解されて緑色が見えなくなっていきます。すると、葉の中にもともとあったカロチンという成分の黄色が目立つようになったり、紫外線の影響で新たにアントシアンという赤い色素が出来て赤に色づくようになったりします。このようにして葉は色づくのです。
 さて、「紅葉」と書いて「モミジ」と読むぐらい色づく葉として知られているのがモミジ、つまりカエデですが、年によってはカエデが特に綺麗に見えることがあります。その原因は日照時間と寒暖差という二つの気象条件です。まずは日照時間です。赤色になるアントシアンという成分は、光合成でできた糖分からつくられます。そのため、日光を十分に浴びて糖分を蓄えてないときれいな色にならないのです。もう一つは寒暖差です。暖かく晴れた昼間のうちに光合成で作った糖分ですが、夜中の気温が高いとエネルギーとして使われてしまいます。そのため夜になると寒くなり温度差が激しいことが重要になります。この二つの条件が揃うと、日中蓄えた糖分が寒い夜にアントシアニンとなり、より鮮やかな赤色となるのです。このような条件は渓谷や盆地などが揃いやすく、紅葉の名所も多いのです。
 全国的に紅葉真っ盛りですが、まもなくシーズンも終わってしまいます。しかし、同じ紅葉スポットでも立地によっては日の当たり方が異なり色づく時期がずれることもあり、まだまだ十分に楽しめるところもありそうです。ぜひ近くの紅葉の穴場スポットを見つけてみてくださいね。