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2015年 11月号 |
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ ▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ |
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この冬は「暖冬」?! |
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先月号では季節予報についてお話ししました。その三か月予報によると、この冬は北日本では気温は平年並みですが、東・西日本と沖縄・奄美ではエルニーニョ現象の影響を受けるため、暖冬となるという予報が出されています。11月10日に発表されたエルニーニョ監視速報によると、10月の時点でエルニーニョ現象が発生しており、観測海面水温は基準値との差が+2.7℃で、10月としては1950年以降2番目に大きい値となりました。今後春にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高く、世界気象機関(WMO)によると史上最大規模となる見通しのようです。 エルニーニョ現象が起こると、なぜ日本では暖冬になるのでしょうか。それは、インドネシアからフィリピン付近で発生する積乱雲の活動が弱まるためです。その影響で、冬型の気圧配置が続かず、寒気の流れ込みが弱くなるため気温が高くなる傾向があります。また、太平洋側や沖縄・奄美では、低気圧や前線の影響を受けて大雨や大雪などの不安定な天候をもたらす場合があります。 太平洋側では大雪が降ることがありますが、平年降雪が多い北・東日本の日本海側では、降雪量が少なくなり雪不足となることもあります。真っ先に影響を受けるのがスキーなどのウィンタースポーツです。ゲレンデに雪が足りず営業できなくなったり、競技が開催できなくなったりすることもあります。 降雪が少なくなるということは、山に蓄えられる水が減るということでもあるので、次の春以降に水不足となって稲作などに悪い影響を与える可能性もあります。また、暖冬によって特定の作物の収穫量が極端に増えたり、不作になってしまう作物があったりします。農業の点からみても暖冬はあまり喜ばしいことではないかもしれません。 ところで、暖冬は平均気温が高くなるということなのですが、もちろん気温が平年値よりも低くなる寒い日もあります。極端に暖かい日と寒い日が交互にくることもあるので、暖冬は体調を崩しやすいとも言えるかもしれません。風邪をひかないよう注意してください。 暖冬は悪いことだけではありません。暖かい日が増えるので暖房の設定温度を低めにしたりして節約できます。また、暖かいと外出もしやすいですから、部屋の中で過ごさずに、外で活動する過ごし方も良いかもしれませんね。 |