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江波山気象館 メールマガジン
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2016年 3月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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冬から春へ
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 今月5日から8日にかけて、全国的に高気圧に覆われて暖かい空気が流れ込んだため、最高気温が20℃を超えた地点がいくつもありました。広島でも7日の最高気温が22.5℃となり、観測開始以来3月では4番目に最高気温が高くなりました。そうかと思えば、9日からは低気圧の影響で雨や雪が降って冷え込み、8日と9日では最高気温が10℃以上も違う地点も数多くありました。その後も寒さと暖かさを繰り返し、季節が移り変わってきていますね。
 冬から春へはどのように移り変わるのでしょうか。冬の間、大陸では地表近くの空気が冷えてシベリア高気圧が発達します。この高気圧からは冷たい空気が日本の上空に吹き込んでいます。しかし、春が近づくと太陽が出ている時間が長くなっていくため、日射量が増加し大陸が暖められていきます。すると、高気圧が次第に衰えていき、西高東低の冬型の気圧配置が崩れます。移動性の高気圧と低気圧が交互に日本を通過するようになると、3〜5日ぐらいの周期で気温が上下しながらも徐々に上がっていき、春となります。
 しかし、春の暖かさから一転、冬のように寒くなることがあります。「寒の戻り」です。寒の戻りとなる原因はいくつかあります。1つは、低気圧が太平洋岸を通過したあと、一時的に西高東低の冬型の気圧配置となる場合です。このときには北寄りの風が強まり、厳しい寒さとなります。もう1つは、移動性高気圧に覆われる場合です。日中は晴れて暖かくなりますが、夜も晴れると、雲が無いために放射冷却が強まって空気が冷えてしまうため寒くなります。このほかにも、日中に雲が多く気温がなかなか上がらないために寒くなる場合もあります。
 寒の戻りの類義語に「余寒」「花冷え」などがあります。余寒は立春を過ぎてからの寒さのことを言い、立秋後の暑さを残暑と言うのと同じように使います。また、花冷えの「花」は桜のことを指しており、桜が咲く時期に一時的に寒くなることを言います。
 広島地方気象台は23日にサクラ(ソメイヨシノ)の開花を発表しました。昨年よりも1日早く、平年よりも4日早いです。日中は暖かくても夜になると急に気温が下がることもあります。夜桜でお花見を楽しまれる場合には、コートなどの防寒具をぜひ準備したうえで、お花見を楽しんでください。