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2016年 8月号 |
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ ▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ |
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雲の観測 |
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江波山気象館にお問い合わせいただく中で、雲に関する質問をよくいただきます。普段から目にしていて親しみのある雲ですから、ふしぎな形や色の雲を見つけると気になるのではないのでしょうか。特に、これから秋になると空に浮かぶ雲の種類が増え、雲の魅力がさらに増していきます。 では、雲を観測しようと思うと、どのようにすればよいのでしょうか。まずは気象庁での地上気象観測の方法について紹介します。気象庁では、雲を観測する際に、1.雲量、2.雲形、3.雲の高さ、4.雲の向き、5.雲の状態の5つのポイントを見ています。雲は機器による観測が難しく、気象庁でもほとんどの項目で目視による観測を行っています。 1.雲量とは、全天空に占める雲の割合です。0~10までの11段階で表します。雲量は天気を決める要素にもなっていて、0か1、つまり空全体の0~10%雲が出ている状態なら快晴です。雲量2~8は晴れ、9か10なら曇りとなります。雲量2と8ではかなり見た目が異なり、雲量8は雲がかなり多く感じますが、天気は晴れになります。 2.雲形は、雲の種類です。基本的には国際的に分類した10種類の雲に分類します。乱層雲や積乱雲などの雨雲が近くにあれば、もうすぐ雨が降るかもしれないと予想することができます。 3.雲の高さは、地上から雲底までの高さです。100m単位で観測するのですが、精度よく観測するのは難しいです。山や高い建造物などを目安にして観測します。また、空港などではレーザー光を使った観測も行っています。 4.雲の向きは、雲片や雲塊が進んでくる方向のことです。雲は上空の風に流されて動くので、雲の動きを見ることで上空の風の様子もわかります。 5.雲の状態は、空全体の雲の様子のことです。例えば、積雲が積乱雲に変わりつつあるというような、それぞれの雲がどんな様子なのかを雲の状態表を用いて観測します。 しかし、気象庁の観測基準の通りに観測しようとしても、私たちにはなかなか難しいです。そこで、まずは雲の種類に注目してみましょう。例えば、巻雲はハケではいたようなものや先が乱れてカギ状になったもの、線状に広がったものなどいろいろありますが、次第に薄れたり消えていったりする場合は晴れることが多いです。しかし、いつまでも形が変わらなかったり、濃くなって巻層雲へと変化していったりする場合などは、天気は下り坂になることが多いです。また、モクモクと鉛直方向に発達した積乱雲は、雲底から雲頂まで高さ10kmを超えることもあります。このような積乱雲は雨や雷を伴うため、その雲がどの方角にあり、どちらに進んでいるのかを調べることで、急な大雨などに備えることができます。 季節が変わるにつれて見られる雲の種類も変わっていきますので、雲の種類を観測しているだけでも季節の変化を感じ取れるようになります。身近な雲の観察から気象についてもっと興味を持っていただけるとうれしいです。 気象庁HP 気象観測の手引き http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kansoku_guide/tebiki.pdf 江波山気象館HP 晴とくもりの決め方https://www.ebayama.jp/q-a/unryou/unryou.htm 江波山気象館HP 雲の種類 https://www.ebayama.jp/q-a/kumonamae/kumo.htm 江波山気象館HP 雲はどうして動くの? https://www.ebayama.jp/q-a/kumo/kumo.html |