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2017年 4月号 |
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ ▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ |
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桜の開花から満開まで |
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広島市内ではそめいよしのの花もそろそろ終わりに近づいてきました。広島地方気象台では3月27日にそめいよしのの開花を発表し、4月7日には満開となりました。 気象庁では桜などの植物やうぐいす・つばめなど動物の季節観測を行っています。植物の多くは観察する対象の木(標本木)が定められており、標本木の花が開いたり、紅葉したりしたかなどを観察します。 桜の観測は主にそめいよしのを対象にしており、そめいよしのが生育しない地域では、ひかんざくら(沖縄地方・奄美地方)、えぞやまざくら(札幌・室蘭・函館を除く北海道地方)を観測します。開花日は、標本木で5〜6輪以上の花が開いた状態となった最初の日のことです。また、満開日は標本木で約80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日のことです。 ところで、開花日に桜の木を見ても、ほとんど花が開いていない状態ということが多いです。それでは、開花日から何日後になれば満開になるのでしょうか。今回は、気象庁が発表している過去の桜の開花日・満開日(1983年〜)から、広島では桜が開花してから満開になるまでに何日かかるのかを調べてみました。 まずは平年値をみてみましょう。広島の開花平年日は3月27日、満開平年日は4月4日で、開花から満開までの期間は8日間です。今年は3月27日に開花してから4月7日に満開になったため、平年より長い11日間かかりました。 開花日から満開日までに最も日数がかかったのは2006年の15日間で、3月22日に開花し4月6日に満開になっています。期間中の平均・最高・最低気温について調べてみると、桜が開花してからしばらくは平均気温が10℃を下回る日が多かったり、3月31日には最低気温が0.4℃まで下がったりしています。また、開花後最高気温が20℃を初めて超えたのは、開花日から11日経った4月2日のことでした。開花してからしばらく寒い日が続いたことが、開花が進まなかった理由の一つと考えられます。 一方、開花日から満開日までに4日間しかかからなかった年もあります。1983年(開花日4月4日、満開日4月8日)と1994年(開花日3月31日、満開日4月4日)です。どちらの年も、開花してから平均気温が11℃以上、最高気温が20℃前後となる暖かい日が続いており、最低気温も開花日から2、3日経つと10℃前後まで上がっています。このように比較すると、開花から満開までの日数には、開花してからの日中の暖かさが一つの理由として考えられそうです。 全国的にみると、北陸地方や東北地方など冬に厳しい寒さを迎える地域では、開花から満開までの日数が比較的短い傾向があります。平年値でも札幌や秋田、山形などでは4日間で開花から満開になっています。中でも山形では1996年に開花してから1日で満開になったこともあります(開花日4月24日、満開日4月25日)。 江波山気象館がある江波山公園のそめいよしのも3月28日に開花し、4月7日には満開となりました。また、広島市天然記念物のえばやまざくらも4月5日に開花し、4月11日に満開になり、今はもうほとんど散ってしまいました。しかし、標高が高い地域など、広島県内でも今が見頃となっている所もありますので、まだお花見をしていない方も各地の花見スポットへ足を運んでみてはいかがでしょうか。 生物季節観測の情報 http://www.data.jma.go.jp/sakura/data/index.html |