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江波山気象館 メールマガジン
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2017年 6月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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気象衛星「ひまわり」
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 気象衛星「ひまわり」が撮影した雲の画像は、テレビの天気予報などで目にすることも多く、私たちの生活にもなじみ深いものとなりました。今年はこの「ひまわり」1号機の打ち上げから40年目になります。
 気象衛星の歴史はアメリカのタイロス1号から始まりました。1960年4月1日に打ち上げに成功し、アメリカやカナダに広がる雲を撮った写真が送られてきました。
 日本では、1959年9月の伊勢湾台風以来、台風防災として観測・研究体制の強化が必要となり、気象衛星による雲の観測の必要性が求められていました。そうした中、1966年6月1日から気象庁予報課によってエッサ2号から受信した雲画像の利用がはじまりました。
 それから11年経った1977年7月14日、ひまわり1号がアメリカで打ち上げられ、日本の気象衛星観測がスタートしました。アメリカの気象衛星に頼らなければならなかった気象衛星観測ですが、日本独自の観測が可能となったのです。
 現在まで順調に打ち上げられ、世代交代を繰り返してきたかのようにみえる「ひまわり」による観測ですが、1999年11月15日に打ち上げが失敗しています。当時の気象衛星ひまわり5号の後継機を搭載したロケットです。
 当時運用中のひまわり5号は設計寿命の5年が近づき、次の気象衛星の打ち上げが待たれていました。しかし、打ち上げ失敗により、ひまわり5号は寿命を超えて観測を続けなくてはならなくなってしまったのです。その後ひまわり5号は、2003年5月22日に運用に必要な燃料が尽きるまでの、約4年間観測を続けました。
 ひまわり5号が運用を停止した後は、アメリカの静止気象衛星ゴーズ9号のバックアップを受け、衛星による観測を続けました。2005年2月26日にひまわり6号が打ち上げられ、6月28日にはゴーズ9号から観測を引き継ぎました。現在は、ひまわり8号が本運用され、8号のトラブルに備えてひまわり9号が待機運用されています。
 気象衛星は、海洋や砂漠そして山岳地帯など観測を行うことが困難な地域の雲・水蒸気・海氷などを観測することができます。特に太平洋上で発生する台風の観測には、とても有効な観測手段です。今日も静止気象衛星「ひまわり」は、私たちの生活を見守ってくれています。

気象庁HP 気象衛星観測について
http://www.jma-net.go.jp/sat/satellite/satellite.html