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2017年 11月号 |
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ ▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ |
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冬の雷 |
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11月も残り数日となり、寒さが身に染みるようになりました。同時に、静電気がバチッと放電する痛みに出くわすことも増えてきたのではないでしょうか。 静電気は主に摩擦で発生します。冬に重ね着をすると、服同士で擦れあい、静電気が発生します。また、服の素材の組み合わせによっても発生のしやすさが異なります。例えば、フリース素材はマイナスに、ウール素材はプラスに帯電しやすいといった具合に、性質の違う素材同士が擦れると静電気がより発生しやすくなります。 普段の生活の中での静電気の放電では、「痛いな」「いやだな」という感じですが、時にわたしたちはとてもスケールの大きな静電気の放電を目にすることがあります。それが雷です。雷雲とも呼ばれる積乱雲の中では激しい対流が起こっており、対流によって氷同士がぶつかって擦れあうことで、静電気が発生していると考えられています。大きな積乱雲はたくさんの静電気が溜まり、雲の中や雲同士で放電したり、地面との間で放電したりします。 広島では、雷は夏のイメージが強いです。1981年〜2010年の、雷が観測された日の平年値をみると、広島で最も多く雷が発生しているのは7月(月に約4.3日)、次いで8月(約3.4日)、9月(約2.0日)です。夏は大きな積乱雲が発生しやすく、雷が多くなります。 一方、東北や北陸地方の日本海側では少し事情が異なります。夏の積乱雲による雷も発生しますが、雷のシーズンはむしろ冬なのです。石川県の金沢では、最も多く雷が発生しているのは12月で、月に約8.2日も起こっています。次いで1月(約7.0日)、11月(約5.6日)です。広島では12月の平年値は月に約0.2日ですので、比較すると非常に多いことが分かります。 どうして金沢では冬に雷が発生しやすいのでしょうか。冬型の気圧配置になると、日本海には大陸から寒気が流れ込んできます。寒気は日本海上を通るとき、相対的に暖かい海によって暖められます。すると、上昇気流が発生し、雪を降らせる積乱雲に発達します。この積乱雲が雷を発生させているのです。 ちなみに、江波山気象館では12月2日、3日、10日に静電気をテーマとしたサイエンスショーを行います。風船を擦って様々なところにくっつけてみたり、ビニールひもを浮かべたりするような、家庭でもできる実験を紹介するほか、バンデグラフという静電発電機を使って静電気の放電を見ていただいたりもします。また、気象館の「フランクリンの実験室」という展示では、30万ボルトの人工雷が大きな音を立てて放電する様子をご覧いただけます。ぜひ遊びに来てみてください。 |