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江波山気象館 メールマガジン
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2018年 1月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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雲の高さ
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 今月18日、西日本を中心に全国各地で「夜光雲」が目撃されました。この夜光雲は、18日の午前6時6分に鹿児島県にある内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた、イプシロンロケット3号機から噴射された塵や水蒸気によるものです。早朝に現れた光輝く夜光雲は幻想的で、ニュースでも取り上げられました。
 夜光雲とは、地上から70〜80kmほどの高さにできる、非常に高度が高い雲です。中・高緯度地域の夏に観測されやすいそうです。また、周囲が明るい日中には観測が難しく、日の出や日の入りの前後でないとなかなか見えません。今回のイプシロンロケット3号の打ち上げのように、ロケットや流星が通過したあとに残る塵などが核となって、夜光雲ができることもありますが、自然にできる場合の成因などまだまだ謎が多い雲です。アメリカのNASAでは、夜光雲を調べるための人工衛星「AIM」を2007年に打ち上げ、観測を行っています。
 ところで、夜光雲は中間圏と言われる高度50〜80kmの中の、高度70〜80kmというとても高い場所にできる雲です。私たちが普段見る雲は対流圏と言われる地上から十数kmの高さで発生します。これらの雲は、その形から国際的に決められた「十種雲形」という10種類に分類することができますが、中間圏で発生する夜光雲は、その中には分類されていません。
 対流圏で発生する雲を、発生しやすい高さで分類すると「上層雲」「中層雲」「下層雲」の3つに分けられます。およそ5〜13kmの高さに現れる雲が上層雲に分類されます。上層雲には、「巻雲(けんうん)」「巻積雲(けんせきうん)」「巻層雲(けんそううん)」の3種類があります。巻雲はハケでさっとはいたような雲で、すじ雲とも呼ばれます。巻積雲は小さな丸みのある雲が集まった雲で、うろこ雲やいわし雲とも呼ばれます。巻層雲は薄いベール状の雲で、薄雲とも呼ばれます。
 上層雲よりも低い位置にできる中層雲は、およそ2〜7kmに現れます。「高積雲(こうせきうん)」「高層雲(こうそううん)」「乱層雲(らんそううん)」の3種類です。高積雲は巻積雲より大きめの雲が集まった雲で、ひつじ雲とも呼ばれる通り白いひつじの群れに見えるような雲です。高層雲は空全部が灰色に覆われ、太陽を見るとすりガラスを通して見たようになる雲で、おぼろ雲とも呼ばれます。乱層雲は層状の分厚い雲で、いわゆる雨雲・雪雲です。
 地上からおよそ2kmまでに現れる雲は下層雲です。下層雲は「層積雲(そうせきうん)」「層雲(そううん)」「積雲(せきうん)」「積乱雲(せきらんうん)」の4種類です。層積雲は白や灰、黒灰色と雲の色や形の変化が激しく、雲の底は暗く見え、くもり雲とも呼ばれます。層雲は山の途中や地上付近に湯気のようにもやっとして見え、霧雲とも呼ばれます。積雲は大きな白い綿がをちぎったような雲で、わた雲とも呼ばれます。積乱雲はかみなり雲とも呼ばれる雲です。積乱雲は雲の底が低いところにあるため下層雲に分類されますが、雲のてっぺん(雲頂)までの高さは13kmにもなる、とても背の高い雲です
 普段私たちが見る雲にも様々な高さがあります。空を見上げた時に、ふと目についた雲がいったいどんな種類の雲で、どの高さにできているのか、少しでも興味を持っていただければ嬉しいです。

ファンファンJAXA 夜光雲〜イプシロンロケット3号機打ち上げの軌跡 
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江波山気象館 お天気Q&A 雲の種類
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