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2018年 7月号 |
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ ▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ |
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最大限の警戒を〜特別警報〜 |
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6月下旬(28日)以降、梅雨前線が西日本に停滞する中、台風7号が北上して暖かく湿った空気が流れこんだため、全国的に広い範囲で記録的な大雨となりました。広島市内のアメダスの観測値を見ると、7月3日0時から8日12時までの期間降水量は、広島(中区)468.5ミリ、佐伯湯来(佐伯区)442.0ミリ、三入(安佐北区)419.0ミリを記録しました。また、県内では、呉市蒲刈(呉市)517.5ミリ、本郷(三原市)490.5ミリ、志和(東広島市)487.5ミリと、期間降水量が500ミリを超える地点もありました。 広島(中区)の7月降水量の平年値(1981年から2010年期間中の平均値)は、258.6ミリです。この期間(7月3日0時から8日12時まで)の降水量と7月の平年値を比べると約1.9倍もの雨が、短い期間に集中して降ったことになります。この影響により各地で土砂災害や家屋の浸水・流失等、多くの影響が出ました。 気象庁は、岐阜県から長崎県までの1府10県に、「大雨特別警報」を発表し最大限の警戒を呼びかけました。これほど広い範囲に「特別警報」が発表された事例はなく、初めての状況でした。 「特別警報」は、2013年8月30日に始まった情報で、大雨、暴風、高潮、波浪、大雪、暴風雪について、「警報」の発表基準よりはるかに危険度が高い場合に、発表されます。気象庁はこれまで、重大な災害の起こる恐れがあるときに、「警報」を発表して警戒を呼び掛けていました。しかし、「警報」の発表基準をはるかに超える状況が予想されたり、実際に発生したりすることが増加する中、最大限の警戒を呼びかけるために「特別警報」を発表することとなりました。 例えば「大雨特別警報」は、数十年に一度の大雨の恐れがある時に発表されます。つまり、過去数十年の間、災害が発生していない所でも災害が起こる可能性があるということになります。それくらい深刻な非常事態になる、またはすでになっている可能性があることを伝えます。 つい、「この場所は、今まで一度も災害にあったことのない場所だから大丈夫!」と思ってしまう場所で、今まさに災害が起こる危機が迫っているかもしれないのです。市や町から発表される避難指示に従うなど、適切な行動をとることが大切です。 しかし、避難しようと思っても、大雨や暴風のため屋外に出ることが危険な場合もあります。このような状況で、やむを得ず自宅にとどまる場合は、崖からできるだけ離れた部屋や2階などのより安全な場所に避難し、命を守るため最善をつくすことが必要です。特に、大雨などの時間とともに危険度が増していく状況では、「特別警報」よりも前に発表される「注意報」や「警報」をもとに、どれだけ事前の準備をしておき、早く避難をしておくことができるかが大切です。 気象庁から発表される防災についての気象情報は、様々な手段で私たちに伝えられます。気象情報に関心を持ち、積極的に情報を入手し、常に最新の情報を把握しておけるよう心掛けたいです。 |