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江波山気象館 メールマガジン
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2018年 8月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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雨量の測り方
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 江波山気象館には「雨量と背くらべ」という展示があります。広島の年間最多降水量(1923年の2540.9mm)とともに、今年7月や2014年8月などの広島で起こった過去の大雨災害の降水量を表示しており、自分の身長と比べることができます。
 雨による災害が多い中、展示をご覧になったお客様から「この雨量はどの広さの雨を測ったの?」「雨量ってどうやって測ってるの?」というご質問をいただきました。雨はどれくらいの広さで測り、どのような観測機器を用いているのでしょうか。
 そもそも、雨量とは何なのでしょうか。雨が降っているとき、水が浸み込んだり流れ出たりしない入れ物を置き、一定時間の間に溜まった水の深さを測った値が雨量です。「雨量」は雨の量を指しますが、「降水量」だと雨以外の雪・あられ・ひょうなどの量も合わせたものです。気象庁の気象観測の手引きによると、「降水量とは、ある時間内に降った雨・雪などの量であり、降水が流れ去らずに地表面上を覆ったとしたときの水の深さ(雪などの固形降水の場合は溶かして水としたときの深さ)で表す。」と定義されています。
 雨量(降水量)は溜まった水の深さであるため、長さや高さの単位である「mm(ミリメートル)」で表されます。よくテレビなどでは略して「○○ミリの雨」と表現することもありますから、もしかすると「ml(ミリリットル)」と思われている方もいるかもしれません。
 代表的な雨量計には「貯水型雨量計」と「転倒ます型雨量計」の2種類があります。「貯水型雨量計」は、その名の通り雨の水を溜めて観測するものです。降った雨は雨量計の受け口から漏斗で集められ、内部の貯水瓶に溜まります。一定の時刻になったら瓶に溜まった雨水を目盛りの入った雨量ますに移し替え、その目盛りで読み取ることで雨量を測ります。
 現在、気象庁や鉄道会社など日本で多く使用されているのは「転倒ます型雨量計」です。雨量計の内部にある、シーソーのようになっている2つのますによって雨量を測る仕組みです。雨が降ると、直径20cmの受け口に入った雨がじょうごで集められ、片方のますに溜まります。ますいっぱいに雨が溜まると重さで傾いて倒れ、もう一方のますに雨が溜まり始めます。このますには0.5mmの雨が溜まるようになっているので、ますが何回倒れたかを調べることで、どれだけの雨が降ったのか分かるようになっています。雪が降ったときには、雨量計に取り付けたヒーターで雪を溶かし、水にしてから観測しています。
 ちなみに、気象庁で観測に使用されている雨量計の受け口は直径20cmですが、実は雨量計には直径7cm〜23cmと様々な種類があります。雨量の観測は、雨量計の受け口の広さには影響されません。小さなバケツでも大きなたらいでも、同じように雨が降っていれば溜まる雨の深さは変わらないからです。
 雨量はわたしたちでも調べることができます。受け口から底面までの面積が変わらないまっすぐな筒状の容器で雨水を溜め、一定時間ごとに物差しで測ることで観測できます。もしくは、ペットボトルで雨量計を作る方法などもあります。自分で雨量を観測することは防災意識の向上にも繋がりますので、興味を持たれましたら挑戦してみてください。