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江波山気象館 メールマガジン
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2018年 10月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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二重の虹〜主虹と副虹〜
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 9月30日の夕方、台風24号が広島を通り過ぎたころに虹が現れました。広島以外にも、台風が通り過ぎた30日夕方や10月1日の朝に虹が見られた地域が多数あったようです。江波では、9月30日17時50分ごろ、二重の虹を見ることができました。周りには立ち止まって空を見上げる人や写真を撮る人もいました。あまり見ることができない虹がさらに二重になっていると、なんだか嬉しさも増しますね。
 虹は、太陽光に様々な色の光が混ざっていることで現れます。太陽光の中で私たちの目で感じることができる光を可視光線と呼びますが、可視光線は赤い色の光から橙・黄・緑・青・藍・紫色の光が混ざっています。可視光線の中でも赤色の光は波長が長く、青っぽい色の光になるほど波長が短くなり、紫色の光が最も波長が短いです。 虹が見えるのは、雨が降った後や水撒きなどによる水しぶきなど、空気中に水滴がたくさんあるときです。太陽を背にして空を見ると、太陽光は空気中の水滴に当たり、水滴中で反射・屈折して私たちの目に届きます。このとき、光の波長が異なると水滴に出入りする際に屈折する角度が異なるため、赤から紫へと色が分かれ、虹が見えるようになります。
 さて、二重の虹についてですが、先日の台風の後に見つけた虹は、はっきりした虹の外側にもう1つ虹が出来ているものでした。普段私たちがよく見ている虹を“主虹”と言い、この主虹の外側にできた虹のことを“副虹”といいます。副虹は主虹よりも暗くて少し幅広く、さらに色の順番が主虹の反対(外側が紫色、内側が赤色)になっています。
 どうして色の順番が反対になるのでしょうか。それは、主虹と副虹では太陽光が水滴の中で反射する回数が異なるためです。主虹は、太陽光が水滴中で1回反射してから出てきた光で出来ています。しかし、副虹は太陽光の水滴に入るときの角度が主虹とは異なります。水滴中で2回反射し、主虹とは異なる経路を通って出てきた光で出来ているのです。このとき、光は色の分かれ方が主虹の場合と逆になるため、出来上がった副虹の色の順番も逆さまになっているのです。

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 雨上がりに虹が見えたら、一番目立つ主虹以外にも、もしかしたら二重の虹があるかもしれないと、よく目をこらしてみてください。私たちが気づかないだけで、もしかしたら二重の虹が現れているかもしれません。副虹の他にも、主虹の内側にさらにもう1つ2つと連続して虹が見える“過剰虹(干渉虹)”や、池などの水面で反射した太陽の光によって出来る“反射虹”など、珍しい二重の虹が現れている場合もありますので、ぜひご自身で見つけてみてください。