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江波山気象館 メールマガジン
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2019年 4月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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空から降ってくる氷の塊“ひょう” 雲の中でいったい何が?・・・。
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 積乱雲は、強い日差しと上空の寒気の影響で大気の状態がとても不安定となると発生しやすくなります。発達した積乱雲は、雷を発生させ、時にはひょうが降ってくる場合もあり注意が必要です。ひょうが降るような状況の時、雲の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか。
 “ひょう”は、積乱雲から降ってくる直径が5mm以上の氷の塊または降る現象のことをいい、それ以下のものを“あられ”といいます。積乱雲は、雲の底が地上から2,000m、雲の頂が10,000mにも達する背の高い雲です。雲の高いところは-20℃以下ととても気温が低く、雲の下の方では0℃以上の場所もあります。
 積乱雲の上部には、氷晶(小さな氷の粒)と過冷却水滴(0℃以下になっても凍らない水滴)が存在します。はじめは小さかった氷晶は、何度も積乱雲の中で、上昇気流により持ち上げられたり落下したりを繰り返す中で、次々と過冷却水滴が衝突して大きな氷の塊になります。
 また、こうして次第に大きくなっていく氷の塊は、雲の中で上昇、下降を繰り返す際、気温が0℃以下の場所と0℃以上の場所を行き来することになります。0℃以上の場所では一部がとけて水の膜を作ります。この状態で再び0℃以下の場所まで上昇することで、水の膜は凍ります。
 0℃以下の場所で過冷却水滴が氷の塊にくっつきすぐに凍ると、過冷却水滴の粒子のすきまに空気が入るため、不透明な氷ができます。一方で0℃以上の場所でとけた水の膜が再び凍る際には空気が混ざりにくく透明な氷になります。実際に降ってきた、ある程度の大きさのひょうを輪切りにしてみると不透明な氷と透明な氷とが年輪のように交互になっている様子が観察できるそうです。
 この時期、各地で降ひょうのニュースを聞くことが多くなります。ひょうが降ると、氷の塊による屋根や車のボンネットのへこみ、窓ガラスの破損、さらには、農作物への被害等多くの影響があります。真っ黒い雲が近づいてきた時、雷の音が聞こえてきた時、急に冷たい風が吹いてきた時などは、積乱雲が近づく状況です。外出先で、このような状況に出くわした場合、速やかに近くの頑丈な建物の中に避難しましょう。
 もうすぐ5月、外出する機会も増える時期です。気象台から発表される天気予報などこまめに確認し、常に最新の気象情報を入手し、身の安全に備えましょう。