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2019年 7月号 |
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ ▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ |
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梅雨明けと熱帯夜 −夜間の熱中症にも注意しましよう− |
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気象庁は、今年の中国地方の梅雨明けを平年より4日おそい7月25日ごろと発表しました。 梅雨が明けると本格的な夏の暑さが始まります。夏の暑さというとその日の最高気温が35℃以上の猛暑日が取り上げられることが多いですが、今回は夜の寝苦しさの原因でもある“熱帯夜”についてのお話です。 “熱帯夜”とは、夜(18時頃から翌日の6時ごろまで)の最低気温が25℃以上の場合をいいます。 25℃という数字だけ見ると、最高気温が25℃以上の日を夏日といい、広島の平年値ではだいたい5月の下旬の最高気温が25℃前後です。5月下旬頃の印象はどちらかといえば過ごしやすいと感じるのではないかと思います。 一方、7月下旬の夜の最低気温が25℃となると寝苦しく感じるようになります。夏日の25℃と熱帯夜の25℃、同じ25℃の感じ方の違いはどこからくるのでしょうか? 私たちは温度計で測った温度とは別に、そのときの湿度や風の状況などさまざまな要因により体で感じる温度は異なり、この温度を一般的には体感温度と呼びます。 屋内で夜寝ているときを想定すると、この体感温度に影響を与える要因は湿度です。 湿度とは、空気が水蒸気として含むことができる水分量の限界を100とした場合の割合を%で表したものです。気温が高いほど空気が含むことができる水蒸気の量は多くなるため、同じ湿度でも気温が高いほど空気中の水分量は多いことになります。 広島の平年で夏日が観測され始める5月下旬ころの湿度の平年値は65%、梅雨が明け、熱帯夜が多く観測され始める7月の下旬は72%と高くなります。つまり、5月下旬に比べて、7月下旬のほうが、空気中に含まれる水蒸気の量が多いことになります。 また、空気中の水蒸気の量が変わらないとした場合、気温の下がる夜間は昼間に比べて、空気中に含むことができる水蒸気の限界量が小さくなり、結果的に湿度が高くなります。 熱帯夜が観測されるような夜は、その前の昼間の気温が真夏日や猛暑日のように気温が高いことが多いです。 例えば、昼間の気温が真夏日の30℃で1立方メートルあたりの空気中に含むことができる水蒸気の量の限界は約30グラムで、湿度が60%だとすると空気中に含まれる水蒸気の量は1立方メートルあたり約18グラムとなります。空気中の水蒸気の量が変わらないまま、気温が25℃まで下がると空気中に含むことができる限界は約23グラムまで減少し湿度は78%まで高くなります。 一般的に、同じ気温でも湿度が高いとじめじめとして体感温度が高く感じられるため、「熱帯夜は寝苦しい」と感じることが多くなるのです。 また、熱帯夜は単に「寝苦しい」だけではありません。特に梅雨明け直後の時期だと、急に気温が上がったにも関わらず、体が熱さに慣れていないことも重なり夜間の熱中症の危険も高まります。眠っているときには本人もまわりの人も体の異変に気付きにくいため、熱中症の症状が現れても対応が遅れてしまうことも多いといわれています。 エアコンや扇風機を上手に使うなど対策にも心がけましょう。 |