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江波山気象館 メールマガジン
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2019年10月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
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「一雨一度」〜移動性高気圧と低気圧の繰り返し〜
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  つい先日までは汗ばむことも多かったはずが、いつのまにか紅葉の便りも届くようになり、街を歩く人の服装からも秋の深まりを感じることが多くなってきました。
 秋の季節に気温が徐々に低くなっていく様子を表す言葉に「一雨一度」というものがあります。文字どおり“ひと雨”ごとに1度ずつ気温が下がるという意味です。
 秋は、移動性高気圧と対をなす低気圧とがほぼ3日から4日間隔と、周期的に日本付近を通過することが多い季節です。つまり1週間のうち半分が晴れ、残りが雨か曇りとなり、一度週末が雨になると、毎週末が雨になってしまうこともよくあります。
 移動性高気圧は、中国大陸で発生した高気圧が偏西風によって西から東へと進み、続いて低気圧が同じように西から東へと移動するのが特徴です。
 高気圧というと天気は晴れと思われがちですが、移動性高気圧が日本列島の北よりを通過する場合は北日本ではよく晴れますが、西日本では雨や曇りになりやすく、日本列島の南よりを通過する場合は、九州地方のみが晴れるなど天気の変化は様々です。
 この高気圧に続き西から低気圧がやってきます。低気圧は中心に向かって反時計回りに風が吹き込む性質があります。このため、低気圧が近づくと南から湿った空気が流れ込みやすくなり雨が降ります。雨が降ることで日差しがなく、気温はあまり上がりません。南からの暖かい空気のために比較的暖かいことも多いです。しかし、低気圧の通過後は北からの冷たい空気が流れ込み気温が一気に下がります。
 その後、次の移動性高気圧がやってきます。高気圧に覆われると、日中はよく晴れる一方で、風が弱く雲ができにくいため、夜間の放射冷却現象が強まり、明け方の冷え込みは厳しくなります。
 こうして、高気圧と低気圧の通過を繰り返し、“ひと雨”ごとに寒さが強まり、秋から冬へと季節が移ってゆくのです。寒さが増していくこの時期は、体調管理に十分注意をすることが大切です。また、寒さ対策など、近づきつつある冬に向けての準備を進めましょう。