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江波山気象館 メールマガジン
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2019年11月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
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1年はいつからいつまで?〜寒候年〜
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 もうすぐ12月です。広島でも初雪、初冠雪のニュースが届く時期です。広島の平年 日(1981〜2010年の30年間の平均)は、初雪と初冠雪とも同日の12月11日です。昨年 の観測日を広島地方気象台のホームページ(http://www.jma-net.go.jp/hiroshima/ kisetu.html)より調べると、初雪は2018年12月8日、初冠雪が2018年12月29日とあ ります。
 冬の現象について気象台のホームページに記載されている項目は、初霜、初氷、そ して初雪、初冠雪の項目があります。観測年をみると、2019寒候年とあります。2019 年とあると、2019年に現象が観測されたものと思ってしまいます。なぜ、2018年に観 測された現象に2019年が使われるのでしょか?
 通常1年の統計期間は、その年の1月1日から12月31日までの1年間を指します。 例えば、日最高気温や日最低気温の年間の極値(最も高かったり、最も低かったりし た値)は、1月1日から12月31日の期間での極値になります。
 では、次のような場合はどうでしょう。1997年から1999年の初雪の観測日について 見ると、1997年は12月2日に初雪が観測されていますが、1998年には観測の記録があ りません。また、1999年には、1月7日と12月18日に初雪の記録があります。1年の 間に初雪が2回観測されるなんておかしな感じです。
これは、1月7日の初雪は、1998年から1999年にかけての冬の初雪で、1998年の12月 には、初雪は降らなかったけれど、年を越した1999年1月7日になって初雪が降り、 1999年から2000年にかけての冬には、1999年の12月18日が初雪の日だったためこのよ うなことになったのです。
 初雪など冬の時期の現象は、1月1日から12月31日の期間で統計すると、現象が年 をまたぐため、現象が年に2回観測されたり、観測されない年があったりします。そ のため、気象台では、一連の冬の期間を含む1年間を統計期間とする寒候年を定めて いるのです。
 寒候年とは、前の年の8月からその年の7月までの期間をいいます。つまり2019年 の寒候年とは、2018年8月から2019年7月のことです。この期間でみると、冬の現象 の多くが観測される12月から1月が、期間の中ほどになり年をまたぐことがなくなり ます。
 寒候年を用いた統計は、その冬の現象が、平年に比べ早いや遅いを比べる場合等に 利用されています。寒候年という言葉は、あまり聞きなれない言葉ですが、今からの 季節は、特に大切な統計期間なのですね。