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江波山気象館 メールマガジン
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2019年12月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
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豪雪地帯の広島
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 広島(広島地方気象台:中区上八丁堀)の初雪の平年日は12月11日です。昨年は12月8日に観測されました。今年の12月は、広島の日最低気温の平均値が5.4℃(27日現在)と平年値【1981(昭和56)〜2010(平成22)年の30年間の平均】3.7℃に比べ1.7℃高く例年に比べ暖かったこともあり、初雪はまだ観測されていません。
 現在気象庁は、広島県内の広島地方気象台(広島市中区)とアメダス(地域気象観測所)【八幡、大朝(山県郡北広島町)、高野(庄原市)】の4地点で雪の観測を行っています。県内観測地点の最深積雪量1位の記録【1990(平成2)年〜2019(令和元)年】は、2011(平成23)年2月13日【八幡】の207cmです。
 広島県、岡山県、山口県等の瀬戸内海側の地域は、雪が多く降るというイメージを持つ方は少ないかもしれません。しかし、広島県は、豪雪地帯対策特別措置法【1962(昭和37)年4月制定】に基づく豪雪地帯に指定された地域があります。
 指定のきっかけは、1962(昭和37)年12月の下旬から1963(昭和38)年2月の上旬にかけて見舞われた記録的な大雪です。この大雪による災害は、「昭和38年1月豪雪」と名づけられ「三八豪雪」とも呼ばれました。
 「昭和38年異常気象報告第1号」(広島地方気象台)によると、山県郡芸北町樽床(現在の山県郡北広島町)では、1963(昭和38)年2月4日に466cm、同年2月1日山県郡芸北町八幡(現在の山県郡北広島町)で350cm、同年2月5日比婆郡高野町(現在の庄原市)で251cmもの積雪が観測されています。特に被害の大きかった県北地域では、交通が遮断され、孤立する地域が続出しました。広島県は国に、三八豪雪の被害を受けた地域の豪雪地帯としての指定を働きかけ、1963(昭和38)年10月に指定が決まりました。
 広島県の指定地域は、三次市内の旧双三郡君田村・布野村・作木村の地域、廿日市市内の旧佐伯郡吉和村の地域、安芸高田市内の旧高田郡美土里町・高宮町の地域、庄原市内の旧比婆郡東城町・西城町・口和町・高野町・比和町の地域、山県郡安芸太田町内の旧山県郡戸河内町の地域、そして山県郡北広島町(旧山県郡大朝町・芸北町・千代田町・豊平町)の地域です。指定地域は、全国24道県あり中国地方では、広島県の他に、岡山県・島根県・鳥取県が指定されています。
 先日、気象庁より中国地方の1か月予報(12月28日から1月27日までの天候の見通し)が発表されました。それによると、期間の前半は、気温がかなり高くなる可能性があるようです。しかし、雪が降らないとも限りません。シーズン始めの雪は、慣れないため足元や車の運転など注意が必要です。雪への備え、忘れないようにしましょう。