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江波山気象館 メールマガジン
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2020年 1月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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口から「はー」っと白い息
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 今月20日は二十四節気の一つ大寒でした。この時期は、寒さが一年の中で最も厳しくなる時期であり、寒さのピークに差し掛かる時でもあります。広島の1月下旬の平年値(1981〜2010年の平均)は、日最高気温9.3℃・日最低気温1.2℃・日平均気温4.7℃と、やはり年間を通して最も寒い時期です。今年1月20日の観測値は、日最高気温12.8℃・日最低気温5.7℃・日平均気温8.5℃でした。20日の平年値、日最高気温9.5℃・日最低気温1.6℃・日平均気温5.1℃と比べると、今年はとても暖かいです。しかし、朝晩は、気温が下がると寒さを感じます。
 冷えた朝、外に出ると、自分の吐く息が白くなります。私たちの吐く息は、暖かく湿っています。息に含まれる水蒸気が、外の冷たい空気に触れると、とても小さな水滴になります。これは、空気中に含むことができる水蒸気量が、温度により異なるために起こる現象です。空気中の水蒸気量は、温度が低いほど少なくなります。空気中に含みきれなくなった水蒸気は、水滴となり空気中に浮かびます。空気中に浮かぶ小さな水滴がたくさん集まったところに、太陽等の光が当たると光の乱反射によって水滴が白く見えます。
では、震えるほど寒い気温の場所ほど、息が白くなりやすいのでしょうか。例えば南極ではどうでしょうか。南極の年平均気温は、沿岸部に位置する昭和基地で約−10℃、内陸部のドームふじ基地で約−54℃です。きっと息も白くなると思われることでしょう。しかし実際には、息は白くなりにくいのだそうです。
水蒸気が水滴になるためには、空気中に含まれる小さなちりやほこり等の核となるものが必要です。南極の空気は、地面が氷におおわれているため砂やほこりが舞い上がりにくいことや、動植物の生息数が少ないこと等の理由により、水滴の核となるちりやほこり等が少なくとてもきれいです。そのため、吐く息が白くなる現象も起こりにくくなります。
 しかし、観測隊員の生活場所である昭和基地付近や雪上車等の車が通る場所では、ちりやほこりが増加し、吐く息は白くなりやすいそうです。
(国立極値研究所ホームページhttps://www.nipr.ac.jp/science-museum/qa/snow.html)
 寒い日に息が白くなること以外にも、暖かい水蒸気をたくさん含んだ空気と冷たい空気が接する例として普段の生活の中では、やかんを使ってお湯を沸かす時に、やかんの口先から噴き出す水蒸気が、外気に冷やされ白くなりますね。他にも、見られると思います。探してみましょう。