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江波山気象館 メールマガジン
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2020年 3月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ

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広島市江波山気象館から
気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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目視による観測の自動化
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 毎日のテレビ、インターネット等から知ることができる天気予報。私たちの生活にかかせない情報です。この基となるのは、気象台などで行われている観測業務です。
 全国約60か所の気象台・測候所では、気温や気圧、湿度などの観測と合わせて、積雪の深さ、雲量(全天を覆う雲の量)、大気現象(雷、ひょう、あられ、虹など)、視程(水平方向での見通せる距離)などの観測を行っています。
 現在ではほとんどの観測が自動で行われている中、雲・視程・天気・大気現象などの観測は、観測者が数時間おきに目視により行う観測が続けられていました。例えば雲の観測は、雲量(0〜10で表現)、雲形(10種類の分類)、雲の高さなどを観測します。また、視程の観測は、視程目標図や視程目標の写真などを基に、目標物が人の眼で見えるか見えないかを確認します。どちらも観測者の経験が必要な業務です。
 しかし、昨年から今年にかけて、気象台の観測方法に、目視による観測の自動化という大きな変化がありました。自動化により、観測者による定時観測が中心の目視観測から、観測機器により自動で連続した観測データの収集が可能な観測方法へと変わったのです。
 例えば天気の観測では、気象衛星の雲の画像を基に、様々な角度からデータを分析し、天気を観測します。今まで観測者が空を見渡し、雲が出ている割合や、雲の高さで判断をしていた「快晴」や「薄曇」といった区分は、「晴れ」となります。
 目視による観測データの蓄積を、今後の新技術の開発に向けての研究開発に役立てるため今後は、広島地方気象台などの一部の地方気象台や大阪などの管区気象台は、引き続き目視による観測を行います。
 気象観測というと、小学校の校庭に設置してある百葉箱であったり、人による空の観察の情景を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。観測技術の進歩は目覚ましいですが、少し寂しさも感じます。
 最近は、台風や豪雨などの気象災害が増加しています。気象台では、自動観測によって得られた多くの情報を分析、判断し、地域の防災・減災活動に役立てるための取り組みが進められています。