江波山気象館 メールマガジンお天気かわらばん

2020年  4月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ
広島市江波山気象館から気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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▲▽天気の数え方▲▽

 みなさんは助数詞という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。日本語の数を表す語のあとに付ける語で、動物であれば“匹”や車では“台”などがそれにあたります。
では天気の事象で「雲」はどのように数え、助数詞にはどのような語があるのでしょうか。
今回は、気象に関わる事象を数える際にはどのような助数詞が使われているかをご紹介してみたいと思います。
まずは「雲」。青空に浮かんでいる雲には“つ”や“片(へん)”が使われ、快晴の空にほんのわずかにある雲には数を表す語の一(いち)のあとに“抹”や“点”をつけて一抹、一点などと使われます。変わったところでは盛り上がった形の入道雲は山を数える際の助数詞“座(ざ)”を使うことがあります。
細長く伸びる飛行機雲には“本”、“筋(すじ)”や“条(じょう)”などを使います。まとまった雲には“塊(かたまり)”を使うこともあります。
これから雨の多い時期になりますが、「雨」に使われる助数詞には“滴(てき)”、“粒(つぶ)”、“雫(しずく)”がありますが、回数を表す場合には“雨(あめ)”を使って「一雨ごとに・・・」というふうに使われます。
また、雷には“本(ほん)”や“個”が使われます。雷の稲光(閃光)は“本”、落雷は“個”というふうに使い分けます。
虹には、決まった数え方はないようですが、“本(ほん)”や“筋(すじ)”が一般的によく使われるようです。また、詩的な使い方には“橋(きょう)”という助数詞も使われます。
台風については、ニュースなどではその年に発生した順番に「令和〇年台風第△号」といいますが、台風の数は今年発生した台風は〇個とか、上陸した台風は〇個など“個”を使って数えます。
このように、同じものを数えるにもさまざまな助数詞が使われていることがわかります。
普段は天気というと現象そのものについての関心は高くても、あまり天気の数え方についてまで意識することもないかもしれません。この機会にこのほかの天気の事象についてや天気以外の自然の事象の数え方についていろいろと調べてみるのもよいかもしれません。

今回の天気に関する助数詞については、株式会社 小学館発行の「数え方の辞典」を参考にさせていただきました。