江波山気象館 メールマガジンお天気かわらばん |
2020年 8月号 |
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ |
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▲▽ 熱帯夜・スーパー熱帯夜・超熱帯夜 ▲▽ |
今年の夏は、梅雨明けが平年よりも遅く、中国地方では平年よりも9日遅い7月30日ごろとなりました。しかし、その後は一転して晴れの日が続き、連日真夏日、ほぼ毎日が熱帯夜となっています。 みなさんご存じのとおり、真夏日はその日の最高気温が30℃以上の日、熱帯夜は夜間の最低気温が25℃以上の日のことを指しています。 8月も残り少なくなりましたが、まだまだ暑く、熱中症の危険は続きます。 気象庁では、最低気温が高い状態を示す表現としては熱帯夜という言葉しかありませんが、ニュースなどではこのところ「スーパー熱帯夜」や「超熱帯夜」という言葉がよく聞かれるようになりました。気象庁で基準を定めているわけではありませんが、マスコミ用語について調べてみると、いずれも熱帯夜よりも暑い夜のことを指していて、最低気温が27℃以上のことをスーパー熱帯夜、30℃以上を超熱帯夜ということが多いようです。 実際のところ、スーパー熱帯夜や超熱帯夜は以前と比べて増えているのか広島の気温を振り返ってみました。 調べたのは1991年から2020年の7月と8月(2020年は8月24日まで)の期間で、最低気温が30℃を超えた記録はなかったため、最低気温が27℃以上の日と、29℃以上の日の日数をカウントしました。 1991年〜2000年では、最低気温27℃以上の日数は合計で、42日、29℃以上は0日。 2001年〜2010年では、最低気温27℃以上の日数は合計で、71日、29℃以上は1日。 2011年〜2020年では、最低気温27℃以上の日数は合計で、123日、29℃以上は3日。 となっていて、確かに最低気温が高くなっている傾向があることがわかります。 また、最低気温が25℃以上の日数も1991年〜2000年が263日、2001年〜2010年が286日、2011年〜2020年が343日と増加しています。 最高気温については、2007年に気象庁が予報用語として新たに「猛暑日」を定義するまでは、最高気温が30℃以上の「真夏日」より暑い日については「酷暑日」や「猛暑日」などいろいろな呼び方がされていました。 今後、熱帯夜(最低気温が25℃以上)よりも暑い日がさらに多くなってくると、新たな呼び名が定義されることになるのでしょうか。 いずれにしても、夜間における熱中症は眠っている間は本人だけでなく、周囲が気付きにくく、危険容態になることも多いです。熱中症により、毎年多くの命が奪われています。 水分補給や温度管理など十分な暑さ対策を心がけることが大切です。 ※熱帯夜の定義は、夜間の最低気温が25℃以上ですが、ここでは、それぞれ最低気温が25℃以上、27℃、29℃以上の日数をカウントしています。 |