江波山気象館 メールマガジンお天気かわらばん

2021年2月号
メールマガジン版江波山気象館情報しおかぜ
広島市江波山気象館から気象に関するさまざまな情報をお届けします。
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▲▽ 二十四節気七十二候 ▲▽

明日から3月です。気象庁では3月から5月を春としています。太陽が移動する天球上の道を黄道といいますが、この黄道を24等分した二十四節気のうちの立春は2月3日でしたから暦の上での春から1月遅れての「春」。名実ともに春となるということでしょうか。
春になると暦の話題も多く聞かれるようになる気がします。
先ほど立春の説明で登場した、二十四節気のうち春の期間に該当するのが立春(2/3)、雨水(2/18)、啓蟄(3/5)、春分(3/20)、清明(4/4)、穀雨(4/20)です。3月に入って最初が啓蟄です。「啓」には「閉じたものをあける」という意味があり、「蟄」には「虫などが地中に隠れ閉じこもる」という意味があることから「隠れていた虫などが活動を始める」ことを表しています。
冬の期間に松などの幹に藁を巻く「こも巻き」が行われる広島の縮景園でも啓蟄のころにはこも外しを行うそうです。
二十四節気で季節の変化を感じることができますが、この二十四節気をさらに細かく分けて約5日ごとに自然の変化をあらわしたものに七十二候というものがあります。
七十二候のうち春をあらわすものは、東風解凍(はるかぜこおりをとく2/3〜2/7)、黄鴬?v(うぐいすなく2/8〜2/12)、魚上氷(うおこおりをいずる2/13〜2/17)、土脉潤起(つちのしょううるおいおこる2/18〜2/22)、霞始靆(かすみはじめてたなびく2/23〜2/27)、草木萌動(そうもくめばえいずる2/28〜3/4)、蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく3/5〜3/9)、桃始笑(ももはじめてさく3/10〜3/14)、 菜虫化蝶(なむしちょうとなる3/15〜3/19)、雀始巣(すずめはじめてすくう3/20〜3/24)、桜始開(さくらはじめてひらく3/25〜3/29)、雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす3/30〜4/3)、玄鳥至(つばめきたる4/4〜4/9)、鴻雁北(こうがんかえる4/10〜4/14)、虹始見(にじはじめてあらわる4/15〜4/19)、葭始生(あしはじめてしょうず4/20〜4/24)、霜止出苗(しもやみてなえいずる4/25〜4/29)、牡丹華(ぼたんはなさく4/30〜5/4)となります。
二十四節気も七十二候も中国で作られたものなので、特に七十二候は漢字だけではどう読んでよいかわからないものばかりですが、短い言葉で自然を上手く表していますね。
桜始開は文字通り桜の花が咲き始める頃という意味で今年は3月25日、広島も例年このころ(広島の桜の開花平年日3月27日)桜が咲き始めます。
新型コロナウイルスの感染予防のため、自然の中での楽しみを見つける方も増えていると思います。これまでは、カレンダーや暦の文字でだけ触れていた二十四節気や七十二候の季節や自然の変化を実際に肌で感じ見るもの良いですね。